【世界遺産熊野古道 馬越峠 Magose toge Pass】
距離・所要時間:約4.5㎞/約3時間(鷲毛バス停から県尾鷲庁舎バス停・峠越えのみの距離時間)
紀北町と尾鷲市の境界にある馬越峠はヒノキの美林とシダに囲まれた石畳が約2㎞続く、伊勢路の中でも特に人気のある峠道。夜泣き地蔵や馬越一里塚、一枚岩の石橋など史跡や見どころも多く点在します。
馬越峠 石畳
日本でも有数の多雨地域である東紀州。大雨から道を守る目的で敷かれたと思われる石畳は、自然石をそのままの形で利用しています。馬越峠では登山口から数分歩くと石畳があらわれ、約2㎞程続きます。熊野詣の盛んな江戸時代中期には年間2万人を超える巡礼者がこの石畳を通ったといわれます。
前日の雨などで石畳が濡れていると滑りやすいので十分にお気をつけください。
夜泣き地蔵
明治時代頃までは地蔵尊がおさめられていたようですが、現在は自然石がおかれています。もともと道中の安全を祈って建立されたようですが、昨今では子どもの夜泣き疳の虫封じにも霊験あらたかな石仏として信じられています。
近くには一枚岩の石橋がかかっています。
馬越一里塚
登り口から約1㎞を過ぎたあたりの道の両脇に一里塚があります。江戸時代の街道には一里(約4㎞)ごとに土を盛った塚が設置され、旅人の目印となっていました。馬越峠の一里塚は1712年に築かれ、かつては西の塚には松の木、東の塚には山桜が植えられていたようですが、現在は石積みの跡が残っているだけとなってしまいました。
可涼園桃乙の句碑
1852年、近江より熊野巡礼の旅に出た可涼園桃乙は、この地に1年程滞在し、地元の人達に俳句を教えました。この句碑は地元の弟子たちが翌々年に建てたもので、「夜は花の上に音あり山の水」と記されており、ふもとで夜桜見物を楽しんだ際に詠んだものと思われています。
ここより先は尾鷲市側への下り坂、東側へ寄り道すると天狗倉山・オチョボ岩の絶景が見られます。
桜地蔵
1852年、近江より熊野巡礼の旅に出た可涼園桃乙は、この地に1年程滞在し、地元の人達に俳句を教えました。この句碑は地元の弟子たちが翌々年に建てたもので、「夜は花の上に音あり山の水」と記されており、ふもとで夜桜見物を楽しんだ際に詠んだものと思われています。
ここより先は尾鷲市側への下り坂、東側へ寄り道すると天狗倉山・オチョボ岩の絶景が見られます。
岩屋堂
馬越公園から少し降りたあたりにある農道を左に折れ、数分歩いた場所に岩屋堂への登り口があらわれます。入口から約30分ほど急な参道を進むと岩屋堂が見えてきます。大きな大きな岩陰を祠としたお堂の中には、鎌倉末期に製作されたといわれる聖観音石像をはじめ、西国三十三箇所の本尊を模したといわれる観音様が祀られています。長い年月を経たにもかかわらず、大岩の屋根に守られてきたせいか、ほぼ建立当時のままであろう美しいお姿をしています。
馬越峠から続く絶景スポット
【天狗倉山 Mt.tengurasan】
約0.6㎞/約30分(馬越峠から天狗岩への片道)
天狗倉山は紀北町とお隣の尾鷲市をまたぐ標高522ⅿの山。
馬越峠から尾根沿いに片道30分ほど歩くと山頂に大きな岩(天狗岩)があり、尾鷲湾の絶景が見られます。この天狗岩にはハシゴがかけられており、岩の上にのぼると大台ケ原の山々も見渡せます。
馬越峠からの道は上り下りが険しい部分がありますので、装備はしっかりと!
【オチョボ岩 Ochobo-iwa Rock】
約2㎞/約70分(馬越峠からオチョボ岩への片道)
天狗倉山からさらに尾根道を40分ほど進むと見晴らしの良いオチョボ岩に到着します。こちらからは紀北町の町並みと渡利かきの産地・白石湖、リアス海岸の素晴らしい景色が望めます。
【便石山・象の背 Mt.Binshiyama・Zo-no-se】
約2.4㎞/約2時間(馬越峠から象の背への片道)
体力に自信のある方は馬越峠から便石山の象の背まで行ってみるのはいかがでしょう?馬越峠から長い上り道と階段が延々と続きますが、ゴールの象の背からの絶景は格別!紀北町と尾鷲市の町並みが両方楽しめるスペシャルスポットです。
(象の背へはもう少し難易度の低い別ルートもあります。ただし馬越峠は通りません)
詳しくは→ https://kihoku-kanko.com/feature/15373/